舞台感想『怜々蒐集譚』

2月16日から上演された怜々蒐集譚の感想と一部レポです。 製作側のこだわりや情熱が詰まっていてとても見応えのある作品でした。ちなみに原作の漫画は未読です。

 

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なんか妙に画質が悪いのだけどこれしかポスター撮ってなかった。悲しみ。

このメインビジュアルも華やかで好きです。

ポスターの上段の桜に囲まれている3人 南 出泉 葛葉の付かず離れずな関係がとっても私好みでした。原作ではどう描かれているのか気になります。読もう。

 

内容は大正浪漫サスペンス。ポスターの椿に囲まれた3人 乙貝 烏鷺 公美子の3人のがんじがらめになった関係を周囲に潜むぞわっとする物の怪事件と絡めながら桜の3人組が探偵みたいに解いていく流れです。

 

劇場全体は洋燈で灯されたような怪しい雰囲気で素敵でした。例えるなら某ランドの某ーンデッドマンションのような。あんなかんじの綺麗でちょっとぞくっとするような空間でした。

 

映画と舞台の連動興業という企画については、舞台で2時間どっぷり腰を据えて世界観に浸って、映画でさらっと(内容はものすごい濃かった!)楽しめるのがちょうど良いバランス。

期間中に違う内容の舞台2本だったり、半年後続きやります!だと体力休日金銭あらゆる面で工面しないといけなくなっちゃうので。映画だと上映時間も短くてチケット代もお手頃で両方気軽に楽しめて良かったです。

 

さてさて前置きはこれくらいで、今回はいろいろ長くなったので目次を作りました。興味ある項目に飛んでください。

 

▽目次

 

劇場施設について

 

新国立劇場 小劇場 エンドステージ形式。

Dブロックからでも目がよければ肉眼で演者さんの表情を確認できます。音響もよく前方席にも段差があって見やすさに関しては申し分なかったです。

が、椅子が硬い!

全座席にクッションが用意されてましたが、わたしのお尻にはそれでもキツかったです。ヤワな尻ですまない。鍛えてきます。

トイレは数も多く綺麗でした。劇場ロビーには自販機がなく、劇場内の待ち合わせスポットに一台しか設置していない模様。

 

周辺はオペラシティもあるので飲食店やコンビニなどには困りません。劇場向かいの道路にある武一に開場前に駆け込んで、ラーメンを流し込んでから向かう謎のルーティン。

白湯がメインのお店ですが濃厚白湯の方はあっさりしすぎてたので、鶏骨醤油そば(黒)の方が好みでした。こってり感がちょうどよい。

 

グッズ

 

パンフレットもブロマイドもレトロな雰囲気でとても可愛い!ブロマイド収集大好きおたくは久しぶりに推しの写真がたくさん手に入って満足。コーヒーカップに口つけてるの…あざとい…可愛い…ずるい…南出泉コンビ好きなのでふっきーさんのも買いました!

あとプレミアムチケットを購入すると工芸茶と原作の石原先生の漫画が載った冊子がついてくるのも嬉しい。お土産つきの舞台なんて初めてだ。

 

トークレポ

 

キネマ後に行われたトークイベント。

印象に残ってるお話を書き出してみました。記憶を頼りに書いたので、こんなようなことを言ったよ〜って要約してます。完全に自分用備忘録です。

 

☆2/20

味方良介さん 溝口琢矢さん登壇

・平日の昼間、水曜日…皆さんご職業は不動産?と開口一番笑いをとるお話上手な味方さん(初めまして)

・溝口さんは見たものなんでも口にするらしい

・溝口さんが演出家さんと時間をかけてつくったものを味方さんは「思い」がわかってるならと一発OKですごいというお話でご満悦な味方さん。殿がご機嫌でなによりです(初対面)

・褒め返しで溝口さんは23歳なのにしっかり(?)してるよ、自分なんてその時赤ちゃんの役やってた!とまたまた笑いを巻き起こす味方さん。

・溝口さんはやっぱり映画の上映中後方の客席で見ていた。そんな気はしていた。(客席にどんどん絡みにいくタイプの方なので)

 

 ☆2/22

溝口さん 岸博之さん登壇

・岸さんはアクティブでスキューバダイビングがご趣味。

・生魚を捌くのに熱心な溝口さん「海に潜ってると周りの魚捌きたくならないんですか?」

・捌きたくなるから共存できないし潜らないらしいです。

・劇中、上手にあるセットの上に上がることがないのでアップしてる時はテリトリーにしている溝口さん。「岸さんがテリトリーに入ってきた!」テリトリーって言い方が動物みたい笑。わんこ。

 

☆2/25

溝口さん 野尻大介さん登壇

・24日のトークではふっきーさんが「みぞたくマイペースだと思う人ー!?」と観客に問いかけるくらい溝口さんの話題ばかりだったらしい。

・野尻さんはゲームが趣味。休日は周りに食べ物を置いてゲーム。ジムにも行っていて筋肉と軽く対話するくらいに筋トレをなさっている模様。

・2年前のドラクエの発売日に店頭に並べなくて落ち込む野尻さんの話。溝口さんは店頭には並ばない派。お二人とも好きらしくゲームの話題一色。

・野尻さんの役は役者さんを目指すようなボーイさんというような設定。

 

作品のテーマについての感想

 

「人の思い」をテーマにした作品ということでとにかく登場人物の人間模様が濃厚でした。それぞれの関係性が深くて掛け合いが面白いです。この人とこの人はどうなの!?っていろんな組み合わせでどんどん妄想が膨らんでいくのはBL原作ならではなのでは。たのしい。

キノドラマの後半には思い悩んでいた人々がみんな自分の中で決着がついて吹っ切れていたので後味は良かったです。

 

劇中はいろんな印象的な台詞があったのですが、わたしはキネマで烏鷺が人の心が満たされたり乱れたりする様子を川の流れのようだと例えているくだりが好きです。

人の感情を自然現象と捉えて、向き合える人って良いですね。歳を重ねるにつれて荒波に耐えうる策を覚えてはいくけど、人間だもの。

荒れ狂う醜い感情も全て自分だから仕方ないって受け入れられる人間になりたいです。短所ってなかなか変えられないから受け入れて伸ばしていくしかない。

 

こうやって思いが交錯して絡み合っただけにならないようにするには、できるだけコミュニケーションを取ることが大事だなぁって思いました。他人とはもちろん自分自身とも。

結果はどうであれ相手に自分の考えてることを伝えることはいつも前進するきっかけの一歩になることが多いですね。意志表示大事。

 

役と出演者について

 

出泉と南のコンビが好きだったので2人をメインに残しておきます。

 

出泉…藤原祐規さん

ひょうひょうとしていて、自分の知りたい!という欲望に素直で憎めない人。「絵師らしく見たものそのままを描けばよいものを」と言われてしまうくらい人の心を覗いてそれを自分の糧にしてしまう貪欲さが愛おしいです。

笑わせる場面とストーリーを進行させる場面のメリハリがすごい。役も藤原さんご自身もとても魅力的でした。

藤原さんのお芝居を観るのはP3WM以来なのですが、最初全然気づかなくてびっくりでした!その時は俳優さん全く興味なかったので。それにP3WMで真田先輩に感じた、面白いんだけどどこか客観的で計算されているユーモアセンスを今回も感じてそれが彼の芝居の持ち味なのかな?と勝手に解釈してすっきりしました。間違ってたらすみません。

 

南…溝口琢矢さん

南くんはストーリーテラーで作品と観客を結ぶ窓口的存在。溝口さんはストーリーの語り手役を担うことが多いのですが、世界観への誘い方が自然で上手いなっていつも思います。

この人すごかった〜!面白かった〜!って強烈な印象を残すタイプの方ではないですが、なんでもそつなくこなす縁の下の力持ち的なお芝居が魅力なのです!!初日までにしっかり仕上げてきて常に安定したお芝居を観せてくださいます。プロ。

 

南くんは真面目で裏表がなくて、人の心の氷を自然と溶かしていく好青年。南くんの優しさは誰かのためじゃなくて自分がしたいからする意志の強さがあるから、ブレないし誠実に感じられて他人に響くのかなぁって思いました。

南くんが場にいるとほっとあたたまる(ツッコミ的な意味でも)作品のホッカイロみたいな存在。ほんとにホッカイロだったら出泉先生のポッケに入れられて連れまわされちゃいそうですが笑。

 

南くんで印象的だったのは、出泉から人の醜い部分を見るのは嫌?(台詞忘れました)と問われて「見られた側のことを思うと…」と答えたところが彼の優しい性格が出てて良いなぁと思いました。

人に触れて欲しくないだろうものには触れないのも正解。だけど今回のは第三者が踏み込まなければ解決しなかったし、南くんも「余分なものも必要」なんだと考えるようになって、人として深みが増したのでは。

 

女性陣

公美子さんは上品で美しくて、彼女の「今日までこの地位でいたことがせめてもの意地だった」という台詞に気高さを感じました。衣装やヘアメイクもとても素敵だった〜!キラキラ!

女給さんは初めての舞台のお仕事だったみたいなのですが、自分じゃなくてちゃんと女給さんという役になっていたのがすごい。アイドル特有のあざとさがなくて、凛とした清潔感ある可愛さで癒されました。

 

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