舞台感想『カリソメノカタビラ』

9月12日から浅草九劇で上演されたカリソメノカタビラを観劇してきました。

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観劇後は幸福感でいっぱいになる素晴らしい舞台でした。9月にして観劇満足度下半期1位です。

 

5人の演者さんの個性豊かなお芝居はもちろん、煌びやかな衣装に重厚なお歌、ピアノの生演奏。どれも素晴らしくてワクワクしました。あら?ここは日比谷の劇場だったかしら?と錯覚するほどです。

開演前の客席にもこだわっていて、青いライトに照らされたステージが雰囲気があって良いなぁと思っていたら、なにやらIndigo tomatoのプロデューサーさんと同じ方らしく納得しました。今回も素敵な作品をありがとうございます。

チケットも美術館の半券みたいに綺麗なのでとっても気に入ってます。

 

▽目次

 

劇場について

劇場の浅草九劇は土地勘がないとちょっとわかりにくいです。賑わう観光地からどんどんレトロな景観になっていくので不安になってゆき…まさかアーケード街の中にあるとは。びっくり。

土日祝日公演は観光客で溢れてて歩きにくいので少し早めに行くと良いと思います。

 

劇場施設に関して、今回は動員数の関係かお手洗いの利用できなかったです。こじんまりとした劇場なので、前方席だと逆に見えにくい可能性もあります。今回は客席が変則で100席以上だったためベンチシートも使われてました。音響などは特に気にならないので良い小劇場だと思います。

 

観劇して感じたこと

初めにざっくりとした作品の紹介を公式HPより引用させていただきます。

2014年の水夏希出演の「Attractive Concert2014 蜃気楼~mirage~」にて上演された、
男性でありながら女装をしてベルサイユ宮殿に入り込んだ実在のスパイ“シュヴァリエ・デオン”をさらに虚像と実像を織り交ぜつつ、
荻田浩一の作・演出により2019年夏ミュージカルとして上演決定!

カリソメノカタビラ〜奇説デオン・ド・ボーモン〜| 浅草九劇 2019年9月12日(木)〜23日(月)

詳しいストーリーとお写真は劇ぴあさんの記事をご覧ください。

 

女性の体に生まれて男性の心を持つ主人公デオンさんの生涯を通して、ジェンダーを超えた自分らしさとは何か。自分らしく生きることの難しさを感じました。

 

デオンさんは女性としての美貌を持ち、男性も顔負けの手腕と紳士的な振る舞いで周囲の人間を一目で虜にしてしまうとても魅力的な人物です。しかし社会的に男性として認められることは中々叶わず、世間から孤立していってしまいます。

全体的にコメディで常に客席が笑い声で溢れるような楽しいお話でしたがここら辺は観てる側もつらい。

そこに天真爛漫なマリーと出会ってお互いの価値観を認め合い、馴れ合いでなく信頼で結ばれた二人の気高い友情に感動します!

 

特に、笠松はるさんのマリーはあざと賢い、けど素直で可憐でとーーっても可愛かったです。

中でもいいなと思ったのが「男の真似なんて嫌!」「女として堂々としていたいの」というセリフ(うろ覚えなのでDVDが届いたら修正します)

まだまだ男性優位な時代に女として政治に参加したいという願望をスパッと言ってしまう裏表のない素直さ、他人任せにせず自分で考えて行動する芯の強さを感じました。

なぜこのセリフに惹かれたのかですが、私の中での自分らしくいるための理念がこれに近いようで「常に自分の気持ちに正直でいること」「腐らず他人に依存せず常に前進していくこと」この二つを怠ってる時は大抵病んでるので(笑)元気に楽しく暮らすためにもブレない考えを持つことは大事です…病むから笑。

 

演者さんについて

まず主人公デオン役 水夏希さん…男装の麗人なオーラがはちゃめちゃにかっこよくて、かつ女性らしい凛とした美しさもお持ちな方でした。

序盤の登場シーンで客席を流し目で見下ろす場面があるんですが、運良く視線の先で観劇していた私は死にました。ちょろい。もうねシンプルにかっこよかったからいつか死ぬまでに宝塚観に行きたいの。

 

それからマリーアントワネットとポンパドゥール夫人を演じられた笠松はるさん!素晴らしい歌声に感動で心が震えました。マリーは可憐で可愛らしく、夫人は高貴で憂いを帯びた雰囲気の女性でどちらも素敵でした!

 

そして最後にわたしが贔屓にしている溝口琢矢さん。今回はジュゼッペというイタリアの青年を演じています。

彼は史実にはっきりとした性格などは残っていないようで、パンフレットによるとこの作品オリジナルなフェミニスト主人公大好きな犬(要約)とのこと。

今回の犬種*1ゴールデンレトリーバーぽいです。大型でわんわんわん飼い主に抱きついてくるタイプでした!この愛くるしい人懐こさが彼の売りだと思います。ワンワンワン。

 

それとただ可愛いだけでなく、お金儲けが好きで詐欺を働くのにも全く罪悪感を感じてないシビアな二面性もあります。このちょっとダークなところがまた良いんですよね。容赦のない無邪気。爽やかだけじゃないのよ!

劇中の「我が名はカリオストロ」という歌はそれまで見せてた明るくデオンに従順な性格とは一転して、怪しげな雰囲気が覗けてとても気に入ってます。

誰かを妬んだりとか根暗な部分がなくて、男女の役割や服装についても自分の感性を大事にして否定から入らないところがジュゼッペの魅力だなぁと思います。

 

浅草飲食記録(おまけ)

おしゃれな店に行ったので写真を載せたかっただけです。

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劇場から歩いて3分ほどにあるフグレンさん。

ワッフルもコーヒーも美味しかった〜!カリッとした薄いパンケーキのようなワッフルです。北欧らしい素朴な味わい。席数が結構あるので土日でも座れる確率が高いです。

 

あと、ソワレ観劇後に空腹で倒れそうになり、周りの飲食店がほとんど閉まっていた時間に空いていたので駆け込みました。神谷バー

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ちょうどその数日前に溝口さんが神谷バーでハンバーグを召し上がったというツイートをしていて、せっかくなので同じものをいただいてきました。肉汁美味しい。ほっぺ落ちた。

 

*1:いぬっぽい性格の人間だったり本物の犬の役だったり様々な犬(役)と出会えます